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【うま飯】以蔵(大阪)〜関西で見つけた商売の原点〜

  • 茂久 永松
  • 2020年2月16日
  • 読了時間: 4分

おかげさまで、今日、新刊である

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毎回のことながら、書店に並ぶこの一週間は、育てた子供を世の中に送り出す気分だ。

最近好調な「はな9」や「30代」のように、この子もたくさんの人に読んでほしいと願っている。

近々、前書きともくじを公開します。

さて、今日は久々のうまめしをご紹介。

今日のお店は大阪。

みなさんもご存知の通り、この世の中には美味しい店はたくさんある。

素材のいい店、料理人の腕がいい店、雰囲気のいい店、内装にお金をかけている店。

「美味しい」はいろんな要素が作り出す。

その「美味しい」の中で、多くの人が存在を忘れてがちになってしまっている欠かせない業態がある。

それは

「古くから地場に馴染んでいる店」

のこと。

当たり前だけど、食べ物屋は料理を提供する。

しかし、それがいくら美味しいものだったとしても、その場の空気が美味しいものじゃなかったら、その力は半減する。

逆に、それが特に目立った珍しい料理ではなかったとしても、いつも食卓に並んでいる種類のメニューだったとしても

「ここで食べるとなぜかとても美味しい」

と感じさせる店がある。

思い出してみてほしい。

近所にあったごく普通の居酒屋だけど、なぜかいつも通ってしまう。

そこで飲むととてもいい気分になり時間が経つのを忘れてしまう。

今日紹介するのはそんな店。

兵庫は尼崎の隣、塚本にある

「遊食や 以蔵」

実はこの店の店主は僕の小学校の頃からの幼馴染み(だから紹介しているわけではない)の尾崎裕明。

通称ひろ。

昨年末、ひろから電話があった。

「茂久、俺、店を移転するから大阪来たら寄ってくれ」。

たまたま大阪で大きな講演があったので、前日に寄った(おかげで飲みすぎて翌日の朝がきつかったが)。

僕も飲食店をしているので、店の在り方には敏感な方だ。

お客さん目線というより、経営目線で見てしまう癖が染み付いている。

正直感動した。

今度の店はカウンター一本の立ち飲みに簡易椅子を置いた業態。

店主とお客さんの距離も近いし厨房の中も丸見え。

しかし、前の店から移転した古びた厨房機器と、居抜きで内装に全くお金をかけていない店作りのため、とても新店には見えない。

それがいいのだ。

立ち飲み屋で妙に店が新品だと、人は近寄りがたい。

でもひろの店はいきなり塚本の立地に

「ここで10年以上やってます」

と言わんばかりの存在感をまとっていた。

例えば焼肉屋や、おばちゃんが一人でやっているような昭和の古びた店作りの店は妙に美味しく感じる(実際美味しい店が多いのは事実)。

それと同じ空気感をオープン1ヶ月で出しているのだ。

料理は激安。

うちのマネージャーの美智子と、仲間の塾である「美塾」のマネージャーの円田ちゃんと三人で飲んで食べて会計8000円弱。

安すぎる。

ふつうに一杯飲んでつまんでいる人には

「1200円です。おおきに」

なんか普通に言っていた。

いくらなんでも安すぎやろ。

でもだからお店は常連さんでいっぱい。

その日も夕方4時から5回転したと言っていた。

でもひろと奥さんふたりでやっているので人件費がかからないから、この価格でも経営が成り立つのだ。

ここに商売の原点があるような気がした。

派手なだけが商売じゃない。

大切なのはいくら利益を出すかだ。

ちなみにひろは昔から歴史オタク。

坂本龍馬さんの命日には、必ず高知まで墓参りに行っている。

幕末好きにはたまらない店。美味しい時間、美味しい酒、美味しい料理。

この3つのバランスがなんとも言えない店だ。

思わず僕もひろに「この業態、東京でやろうかな」と言ってしまった。

塚本駅は梅田から一駅。

大阪に寄った時はぜひ立ち寄ってほしい。

「永松茂久の記事を読んできた」

と言っていただいたら、一杯、もしくは一品サービスするように店主に伝えとくので(笑)。

がんばれ友よ。

めっちゃいい店で感動した。

今日はウマ飯もさることながら、半分くらい飲食店経営チックな文章になってしまったが、読んでくれてありがとう。






【遊食や以蔵】

住所

大阪市西淀川区柏里2-1-18

営業時間

16:00オープン

23:00閉店(食事22:00ラストオーダー)

定休日 毎週月曜日

電話番号

06-6732-9698

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